の3タイプあることは皆さんも知っての通り。日本では親指が一番長いエジプト型が大多数で、人差し指が一番長いギリシャ型は少数派。この傾向は欧米でも同じだ(詳細は後述)。ところが面白いことに、そんなマイノリティのギリシャ足が、超頭脳集団「メンサ」では圧倒的多数をほこるマジョリティだという。
ソースはアメリカの女性メンサ会員「~~Silk」氏のブログ。以下はその抜粋と和訳である。
知らない人のために、ちょっくら説明しておくと、メンサは人口上位2%の知能指数(IQ)をもつ人だけが入会できる社交クラブ。1946年にイギリスで誕生し、現在は世界約40カ国に支部があり、約100カ国におよそ12万人の会員がいる。とは言っても、その内訳を見てみると、会員の9割以上はアメリカ人やイギリス人を始めとする欧米人。「~~Silk」氏が参加したというメンサの世界大会のスナップ写真を見ても白人だらけでそれは窺える。
会員の足を一人一人チェックして回ったのか、「足の人差し指が親指より長い人は手を上げて」とでも会場に呼びかけたのか、その手法は不明だが、彼女の非公式調査によると、世界大会に集まった会員の実に5人に4人、つまり80%がギリシャ足だったとのこと。これは上記の理由から欧米系会員の80%と解釈していいだろう。
しかし、この足型の偏りは欧米系会員に限らない。メンサの日本支部「JAPAN MENSA」でも、会員(900人のうち)10数人の足を調べたところ、なんと90%がギリシャ型と判明したそうだ。ソースはテレビでもおなじみの脳科学者、中野信子氏。自身もメンサ会員である同氏は、調査結果について次のように述べている。こちらもメディアはブログ。
高知能団体メンサ会員にギリシャ型がこんなに多いとなると、確かにIQとの相関を疑いたくもなる。さらに、相関を示唆するデータはもう一つある。表1がそうだが、これは検証も兼ね、筆者自らが欧米の有名人メンサ会員の足のタイプを調べた結果。有名人の会員名簿はウィキペディアとメンサの公式サイトより取得した。リストアップされていたのは合計94人。各人について、ネットの画像検索機能等を使い、目を皿のようにして足の判別可能な写真を探した。どういう結果になるか、まったく予想もつかずやってみたのだが、写真が入手できたのはそのうちの11人。足型を確認すると、エジプト型=1人、ギリシャ型=10人、スクエア型=0人と、ここでもギリシャ型(91%)が圧倒的多数だったのだ!
表1 欧米の有名人メンサ会員11人の足のタイプ(姓のアルファベット順) |
出典:
List of Mensans, Prominent Mensans
Photos: Asia Carrera, Geena Davis, Kara Hayward, Glenne Headly, Dorota Rabczewska, Ashley Rickards, Jimmy Savile, Laura Shields, Scott Sonnon, Carol Vorderman, Deborah Yates
Wikipedia: Asia Carrera, Geena Davis, Kara Hayward, Glenne Headly, Dorota Rabczewska, Ashley Rickards, Jimmy Savile, Laura Shields, Scott Sonnon, Carol Vorderman, Deborah Yates
IQ scores: Asia Carrera, Geena Davis, Kara Hayward, Glenne Headly, Dorota Rabczewska, Ashley Rickards, Jimmy Savile, Laura Shields, Scott Sonnon, Carol Vorderman, Deborah Yatesでは、ここでメンサ会員の足型分布を日米欧の一般人口のそれと比較してみよう(表2)。なお、アメリカ白人とヨーロッパ人のデータは、それぞれ米国出版の医学書とドイツの医学部院生による博士論文に引用されていた数値である。これを見ると、冒頭でも言ったように欧米人の足型は日本人同様、エジプト型が大多数を占めていることが分かる。これに対し、メンサ会員の足型は欧米であれ日本であれ、ギリシャ型が圧倒的に多く、一般人口とは明らかに異なる。
表2 エジプト型・ギリシャ型・スクエア型の分布(%)
一般人口 vs メンサ会員サンプル | エジプト型 | ギリシャ型 | スクエア型 | 調査機関 |
---|
|
日本人 | 65-75 | 15-25 | 5-10 | 過去記事より再掲 |
アメリカ白人 | 76 | 24 | 0 | A. R. Kaplan(遺伝学者) |
ヨーロッパ人 | 60 | 30 | 10 | Schlegel |
|
世界大会に集まったメンサ会員 | - | 80 | - | ~~Silk |
ジャパン・メンサ会員10数人 | - | 90 | - | 中野信子 |
欧米の有名人メンサ会員11人 | 9 | 91 | 0 | オモロイド |
ところで、西洋では「足の人差し指が親指より長いと、それは知性の証」なんてよく言われる。日本の「親より出世する」にどこか通じるところがあるが、そのルーツは古く、古代ギリシャや中世ルネサンスの時代までさかのぼることができる。その頃から神々の象徴、すなわち知性のシンボルと見られていたようで、当時の彫刻や絵画に描かれた足がギリシャ型なのもそのせい。また、暴君ながらも、類まれな政治手腕を発揮し現代イギリスの基礎を築いたイングランド王ヘンリー8世は、宮中顧問(重臣)を選ぶ際、足がギリシャ型であることが選考基準の一つだったと伝えられる。(
参照)
どうやら、ヘンリー8世は「知性の証」とやらを信じていたようす。ここで紹介した3つのサンプル調査の結果を見る限り、まったく根拠のない俗説とも思えないのだが、どうだろうか?
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