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「インドの密林で、UFOとETを描いた洞窟壁画が発見」はガセネタでした。

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訂正とお詫び 当ブログの2月19日付記事「インドの密林で、UFOとETを描いた洞窟壁画が発見」について、ソースが捏造記事だったことが発覚したのでお知らせする。

この記事は、インド・マドヤプラデシュ州の山間部で宇宙人と宇宙船らしきものを描いた有史以前の洞窟壁画が発見されたことを伝えるものだった。

本来ならビッグニュースのはずだが、2月19日の時点では、ソースとなったインドの地方紙『राजस्थान पत्रिका(ラジャスタン・パトリカ)』以外、インドの大手新聞はどこも取り上げていなかった。そこで、続報が出ていないか、今回改めて調べてみたのだが、どこにも見当たらず、かわりにこんな記事を発見したのである。




これはベルリン在住のジャーナリストらが運営する『BILDblog(ビルトブログ)』の3月3日付記事。BILDblogはドイツやその他の国々で発行される新聞の内容を検証し、その誤りや捏造を暴くことを趣旨とするブログである。

インドの洞窟壁画発見のニュースは、ドイツのタブロイド紙『Bild(ビルト)』も以下のように3月2日付記事で紹介しているが、BILDblogはこれを取り上げ、Bildが当ブログ同様、ソースとして使ったラジャスタン・パトリカの1月31日付記事が捏造されたものであることを暴いているのだ。




そこには、同記事に掲載された洞窟壁画の画像が、2007年制作のUFOものドキュメンタリーの中で、オーストラリアの洞窟壁画として紹介されていることが指摘されていた。


洞窟壁画ラジャスタン・パトリカ掲載の
洞窟壁画の画像


2007年制作のUFOものドキュメンタリー2007年制作のUFOものドキュメンタリー


しかしながら、ドキュメンタリーについては、タイトルや制作者等、詳細は触れられていなかった。そこで、筆者はBILDblogのクレーム(主張)の裏を取るため、ドキュメンタリーの所在を確認しようとあちこち探しまわったのだが、最終的に以下の動画にたどり着いた。




Secret Space II
動画と見比べると、BILDblogが捏造の証拠として挙げた画像は、これから抜き取ったワンショットであることは明白だ。これはイギリスの作家兼映画監督、クリス・エバラードが2007年に制作したドキュメンタリー『Secret Space II』の一部である。動画の中で、壁画について解説しているのはエバラード氏本人。冒頭で彼は次のように述べている。


Well, I had some copies made of some of the most important pieces of rock art from around the world. And this is a copy of a piece of rock art discovered by Joseph Bradshaw in the 1800s. And the Bradshaw Foundation has done really excellent work in finding, collating, and protecting a lot of the rock art in Western Australia. And this piece of rock art has been reproduced in several books, most recently, a book by Terry Wilson called "The Secret History of Crop Circles."

世界中の最も重要な壁画のうち、そのいくつかをコピーしました。で、これは1800年代にジョセフ・ブラッドショーが発見した壁画のコピーです。ブラッドショー財団は、西オーストラリア州で多くの壁画を発掘、整理、保護し、素晴らしい活躍を見せました。この壁画は数冊の本、最近のものでは、テリー・ウィルソンによる『The Secret History of Crop Circles(ミステリー・サークルの秘史)』という本に複写されています。


上の解説を少し補足すると、壁画群が発見されたのは西オーストラリア州北部のキンバリー地域。壁画群は同地域50,000km2に10万サイト以上存在すると見られており、そのうちのいくつかは17000年前に遡るそうだ。(参照)エバラード氏の話が事実なら、宇宙人壁画は太古の昔、オーストラリアの先住民が描いたものと推察できる。

というわけで、インドで発見された壁画は、3年前に制作されたドキュメンタリーの中で、オーストラリアの岩絵として紹介されていたことがこれではっきりした。この事実から鑑みて、ラジャスタン・パトリカの記事はガセネタとみて間違いないだろう。BILDblogによると、記事へのリンクも3月3日までにすでに抹消されていたとのこと。

他の過去記事が、6ヶ月前に遡るものまで閲覧できることから見て、期限切れではなく、捏造が発覚したため削除したものと思われる。

Wikipediaによると、ラジャスタン・パトリカはインド北部のラジャスタン州で1956年に創刊されたヒンディー語日刊紙。地方紙といっても、マドヤプラデシュ州、グジャラート州、西ベンガル州、タミルナードゥ州等、インド各地に販路を広げており、近年、もっとも成長が著しいメディアの一つだそうだ。ヒンディー語の美しさに定評があり、購読者からの信頼も厚いとのことだが、そんな伝統ある新聞社が、なぜ、こんな稚拙で、すぐバレるような捏造記事を発信してしまったのか? これはこれで興味を引かれるトピックなのだが、それについての釈明はどこにも見当たらない。

当ブログの場合、ラジャスタン・パトリカの記事は『UFO & Paranormal News』というブログの記事を介して知ったのだが、いま読み返してみると、すでに2月17日の時点で、コメント欄に壁画の出所がオーストラリアであることを指摘する書き込みがあった。筆者はこれを見落としていたのである。

ただ、一つだけおかしいと感じた点はあった。それは、インドの全国紙のみならず、地元マドヤプラデシュ州の地方紙ですら、このニュースを取り上げていなかったことだ(オンライン版に限った話だが、インドの新聞は大小、使用言語を問わず電子化が進んでいる)。まさに、後の祭りとはこの事。

当ブログの該当記事については、削除せず、記事冒頭に訂正を入れさせて頂いた。

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