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「世界最良の観光客」2007-2009年度 国別ランキング

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[アメリカ発] 先日、日本人が3年連続で「世界最良の観光客」に選ばれたと、新聞各社が報道し話題になっていた。情報元はオンライン旅行会社、エクスペディア(本社:米ワシントン州)。同社は2007年より毎年、各国ホテルのマネージャーを対象に9、10項目についてどの国の観光客が最良、最悪かを問うアンケート調査を実施している。

海外旅行者は、現地で触れ合う人々にとっては日本を代表する存在。したがって、このアンケート結果は日本人にとり喜ばしいことと言えるだろう。年間1,600万人もの日本人が海外に出かける昨今、彼らが日本のイメージに与えるインパクトは外交官のそれより大きいかもしれない。

このニュースは欧米のメジャー各紙も取り上げ、英語圏フォーラムでも話題になっていた。しかし、日本や欧米の新聞が伝える情報は要約されたもので、全ランキングが記載されることもほとんどなかった。そこで、このエントリーでは、データベースとして各年度の『エクスペディア・ベスト・ツーリスト』の総合ランキングと項目別ランキングをまとめてみることにした。

以下はそのソースとなった資料集。2008年度と2009年度分に関してはエクスペディアが日本語版報告書をオンライン上に掲載しているが、2007年度分に関してはネット検索しても見つからず、かわりに『マイナビニュース』と『Travel Vision』の記事を参考にした。各年度の調査方法については、それぞれソースに明記されている。


表1は各年度の総合得点によるランキング。ここで注意して欲しいのは、アンケート調査の対象エリアが年ごとに違うこと。2007年度はヨーロッパのみ、2008年度はヨーロッパ、アメリカ大陸(南北)、一部アフリカ、2009年度はヨーロッパ、アメリカ大陸(南北)、アフリカ、アジアパシフィック(参照)と徐々に拡大している。

表1 エクスペディア・ベスト・ツーリスト 総合ランキング 2007-2009年
2007年2008年2009年
順位国名得点順位国名得点順位国名得点
1日本331日本681日本71
2アメリカ112ドイツ532イギリス52
3スイス92イギリス533カナダ51
4スウェーデン84カナダ514ドイツ50
5ドイツ55スイス495スイス48
6オランダ56オランダ486オランダ47
7オーストラリア47オーストラリア476オーストラリア47
8ノルウェー47スウェーデン478スウェーデン46
9カナダ49ベルギー468アメリカ46
10ベルギー410ノルウェー4510デンマーク44
11デンマーク11オーストリア4410ノルウェー44
12オーストリア11デンマーク4410フィンランド44
13フィンランド11フィンランド4410ベルギー44
14タイ14ニュージーランド4314オーストリア43
15ニュージーランド15アメリカ4214ニュージーランド43
16アイルランド15タイ4216タイ42
17チェコ17アイルランド4116ポルトガル42
18ポルトガル17チェコ4116チェコ42
19イタリア17南アフリカ4119イタリア41
20ギリシア17ポルトガル4119アイルランド41
21スペイン21ブラジル4019ブラジル41
22ポーランド22イタリア3922ポーランド40
23トルコ22ギリシャ3922南アフリカ40
24イギリス22ポーランド3924トルコ39
25ロシア25トルコ3824ギリシャ39
26中国26スペイン3726スペイン38
27インド27メキシコ3627フランス31
28フランス28ロシア32
29フランス31
30インド28
31中国27


こうして時系列データを並べると、単年度のデータでは見えにくいトレンドがわかって面白い。まず、地域単位で見ると、どの年もランキングの上半分は中欧、北欧、北米、オセアニア、下半分は南欧、東欧でほぼ占められている。残る西欧はやや足並みが乱れどっちつかず。南欧と東欧からの観光客はホテルマン泣かせの傾向が比較的強いようだ。

次に国別に見てみると、日本人観光客はどの年も2位以下の国々に総合得点で大きな差をつけて1位に輝いている。表2の項目別ランキングから、日本人は、行儀の良さ、礼儀正しさ、清潔さ、静かさ、苦情の少なさの項目でほぼ毎年1位に選ばれていることがわかる。気前良くお金を使うことやファッションでも常にBEST5入りしている。その一方で、外国語で苦労している様子も窺える。「白人コンプがある上に、言葉が通じないので、欧米に行くと文句も言えず縮こまってるだけ」という意地悪な意見も聞こえてきそうだが、2009年の調査では、日本人観光客は、エリア別の集計でもヨーロッパ、アメリカ、アジアパシフィックで1位に選ばれている(参照)。

行儀が良くて、言葉にも通じ、苦情は多めだが、静かで部屋を汚さないドイツ人観光客もホテルマンの好感度は高い。しかも、調査対象地域がアフリカ、アジアへ拡大してもランクにさほど変動がなく、上位5位以内に留まっている。調査に協力したホテルマネージャーのエリア・国別分布は明らかにされていないが、仮にエリア分布にそう偏りがないとすれば、日本人もそうだが、どこに行ってもその態度はあまり変わらないということだろう。私見だが、ドイツ人というと第二次世界大戦中の所業をまず思い起こしてしまう筆者には、ちょっと意外な結果だった。

一方、そんな安定した人気を誇る日本人、ドイツ人と好対照なのがイギリス人だ。2007年度は総合得点で24位と不評だったのに、2008年度以降、3位、2位へと大躍進している。項目別ランキングを見ると、イギリス人観光客は、ほぼ例年、礼儀正しさ、気前の良さ、チップの額、苦情の多さの4項目でBEST5またはMOST5入りしている。また、行儀の良さ、言葉の順応、清潔さ、ファッションの4項目では、2007年度WORST5に入っていたのが、2008年度以降のきなみBEST5に入っている。さらに調べて見ると、2008年の調査でアメリカのホテルマンの実に70%がイギリス人観光客は世界最良と回答していたことも判明した(参照)。どうやら、後の4項目での逆転が総合ランキングでの大躍進につながったようだが、これはアメリカでの好成績が影響したものとみていいだろう。

では、アメリカ人観光客の評判はどうなのか? まず、総合ランキングを見てみると、イギリス人とは逆パターンで、2007年度には2位に食い込んでいたものが、翌年以降15位、8位と大幅に下がっている。項目別ランキングからは、気前の良さとチップの額は世界最高だが、ファッションは最低、部屋は汚すし騒がしいくせに、苦情の数は世界一というアメリカ人観光客の一般像が浮かんでくる。だが、注目すべきは行儀の良さと礼儀正しさ。どちらも、2007年度にはBEST3だったものが、翌年以降WORST1に転落している。これが意味するところは、アメリカ人はヨーロッパではかなり行儀と礼儀に気を配っているということだ。総合ランキングの落差もこのせいだろう。アメリカ人はヨーロッパの古い歴史と洗練された文化に憧れ、コンプレックスがあるらしいので、それが観光客としての態度にも出るのだろうか?

さて、とりは日本人の対極にあり、今年も含め2度も「世界最悪の観光客」の烙印を押されたフランス人。項目別ランキングからわかるように、彼らは滞在地の言葉を話そうとせず、無礼な上にケチで苦情が多いと不評だ。フランスは通常西欧に区分けされるが、ここでは似た傾向を持つ南欧に区分けしたほうがスッキリしていいような気もする。

表2 エクスペディア・ベスト・ツーリスト 項目別ランキング 2007-2009年
2007年2008年2009年
行儀の良い旅行者
BESTWORSTBESTWORSTBESTWORST
日本イギリス日本アメリカ日本アメリカ
ドイツロシアイギリスロシアイギリスフランス
アメリカ中国ドイツフランスドイツスペイン
スイスイタリアカナダ中国カナダイタリア
オーストラリアインドスイスインドオーストラリアギリシャ
礼儀正しい旅行者
BESTWORSTBESTWORSTBESTWORST
日本ロシア日本アメリカ日本アメリカ
イギリスフランスイギリスフランスイギリスフランス
アメリカドイツカナダロシアカナダイタリア
スイスイタリアオーストラリアドイツドイツスペイン
オーストラリアインドオランダイタリアオーストラリアトルコ
滞在地の言語を話そうとする旅行者
BESTWORSTBESTWORSTBESTWORST
アメリカフランスアメリカフランスアメリカフランス
オランダイギリスドイツ中国ドイツ日本
ドイツイタリアオランダ日本イギリスイタリア
スペインロシアイギリスイタリアオランダトルコ
スウェーデン中国スペインロシアオーストラリアチェコ
地元の料理に興味を持つ旅行者
BESTWORSTBESTWORST
アメリカ中国アメリカ中国
ドイツイギリスイギリスインド
日本フランスフランス日本
スイスインドドイツロシア
オランダイタリアイタリアメキシコ
気前よくお金を使う旅行者
BESTWORSTBESTWORSTBESTWORST
アメリカドイツアメリカドイツアメリカフランス
ロシア中国イギリス中国イギリスイタリア
イギリスフランスロシアフランスドイツスペイン
日本オランダ日本インド日本カナダ
スイスオーストラリアイタリアカナダオーストラリアオランダ
気前よくチップをくれる旅行者
BESTWORSTBESTWORSTBESTWORST
アメリカドイツアメリカフランスアメリカフランス
イギリスフランスカナダドイツイギリスイタリア
ロシアイタリアロシアイギリスドイツスペイン
スイススペインオーストラリア中国日本オランダ
オーストラリア中国スイススペインカナダギリシャ
部屋をきれいに使う旅行者
BESTWORSTBESTWORSTBESTWORST
ドイツイギリスドイツアメリカ日本アメリカ
日本中国日本インドドイツイタリア
スイスアメリカイギリス中国イギリス南アフリカ
スウェーデンインドカナダロシアカナダギリシャ
フランスロシアスイスイタリアフランススペイン
ホテルで騒がしい旅行者
BESTWORSTBESTWORSTBESTWORST
日本イタリア日本アメリカ日本アメリカ
中国アメリカ中国イタリアイギリスイタリア
スイスイギリスドイツイギリスドイツスペイン
ドイツスペインフランススペインフランスオーストラリア
フランスロシアカナダロシアスイスアイルランド
旅行者のファッションについて
BESTWORSTBESTWORSTBESTWORST
イタリアアメリカイタリアアメリカイタリアアメリカ
フランスイギリスイギリス中国イギリスドイツ
スペインドイツフランスロシアフランスオーストラリア
日本中国ドイツインド日本トルコ
スウェーデンロシア日本メキシコカナダギリシャ
苦情の多い旅行者・少ない旅行者
LEASTMOSTLEASTMOSTLEASTMOST
日本アメリカ日本アメリカ日本アメリカ
中国ドイツ中国ドイツカナダイギリス
オランダイギリスカナダフランスオーストラリアフランス
スウェーデンフランスオランダイギリススイスドイツ
フィンランドスペインオーストラリアスペインオランダスペイン


なお、日本では当時話題にならなかったようだが、エクスペディアは同様のサーベイを2002年にも実施している。ソースはこちら。


調査対象は世界17ヶ国の観光案内所。24ヶ国中、トップ3はドイツ人、アメリカ人、日本人、ボトム3はイギリス人、イスラエル人、アイルランド人となっている(表3)。

表3 エクスペディア・ベスト・ツーリスト 総合ランキング 2002年
順位国名順位国名
1ドイツ17アルゼンチン
2アメリカ17ニュージーランド
3日本17チェコ
4イタリア17フィンランド
5フランス21インド
5ノルウェー22アイルランド
5スウェーデン22イスラエル
24イギリス


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