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ゾディアック事件、FBIの捜査を邪魔する市警

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[アメリカ発] これで10回目の投稿となってしまったゾディアック事件(1960年代、カリフォルニア州北部で7人の男女が殺傷された未解決の連続殺人事件)。ゾディアック・シリーズと呼んでもいいぐらい書き溜めてしまったが、2回目の投稿で筆者は次のようなことを書いた。

デニスさんは、2000年10月、数ヶ月かけて集めた証拠を持って、カリフォルニア州の首都サクラメントを訪れ、FBIの捜査官、ケン・ヒットマイヤー氏と面談している。その結果、継父のDNA鑑定の話が持ち上がったそうだが、サンフランシスコ市警の協力が得られず頓挫したらしい。

今回は、十分な状況証拠をデニスさんが提示したというので、FBIによるDNA鑑定の運びとなったようだが、前回のようなことがないよう祈りたい。


ところが、6月4日放送のCBS13ニュースによると、今回もサンフランシスコ市警の協力が得られず、捜査が行き詰まっているらしい。事件に関わる証拠品の大部分は市警が保管しているが、FBIがそれら証拠品を調べることを拒んでいるそうだ。

FBIは昨年8月よりDNA鑑定をスタートしており、その鑑定結果がずっと待たれているわけだが、いつまでたっても発表がないのはこのためだったのだ。

また、捜査の妨害となっているのはそれだけではなく、本物のゾディアックの手紙とされるものが、実は改竄(かいざん)されたものではないかという新たな疑惑も浮上している。


犯人筆跡の改竄疑惑

継父、ジャック・トーランス容疑者(2006年、78歳で死去)が真犯人であることを証明しようと、デニス・カウフマンさん(41)がサクラメントの筆跡鑑定家ナネット・バルト氏に鑑定を依頼したところ、犯人と容疑者の筆跡サンプルの間に55に上る共通点が発見されたのは、以前当ブログでも書いた通りだ。

しかし、この鑑定作業中、バルト氏は本物のゾディアックの筆跡の複写とされるものの中に改竄された跡があることも発見。ゾディアックの手紙のうちの一通など、全体が丁寧にトレースされたものだったという。

その根拠として、手紙に書かれた各文字の最後尾に重い点が打たれている事を彼女は指摘し、これは誰かが、まるで(オリジナルから)はみ出さないよう、または余分なものを書き込まないよう、筆をゆっくりと進めた後、止めたことを示唆すると説明している(参照)。

しかし、なぜそのような手間暇を掛ける必要があったのか? それについては、紙面のインクを一貫させることで、一つの改竄を隠そうとしたのではないかと彼女は見ている。では、いったいどこが改竄されていたのか? それは文字「a」で、古い複写のaに付いていた冠が消されているというのだ。

文字の一つを改竄しても大した事ではないように見えるが、筆跡鑑定の世界ではそれが鑑定結果を左右するほど重要なことになりえるとバルト氏は言う。

類似点が一つ欠けていることで、発見されたすべての類似点が打ち消されることもありえるそうだ。実際、トーランス容疑者のaにはそのほとんどに冠が付いており、はっきりした特徴があるので、(ゾディアックの手紙文のaに)冠が見つからなければ、そこで疑いが生じてしまうという。

デニスさんは2001年にサンフランシスコ市警に継父の肉筆を見せたり、そのサンプルをインターネット上に載せたりしているが、この改竄が現れ始めたのはそれ以降だと彼は述べている。

誰が改竄したのかは不明だが、改竄されたものは書籍やネット上で出回っているという。

ロバート・グレイスミス氏が執筆し、米映画『ゾディアック』(2007年)の原作となった『Zodiac』と『Zodiac Unmasked』。これらの書籍には同じゾディアックの手紙が掲載されているが、後者に掲載されたものは改竄されたもので、やはりaには冠が付いていない。


ZodiacZodiac Unmasked: The Identity of America's Most Elusive Serial Killers Revealed


ちなみに、グレイスミス氏はかつて事件の第一容疑者であったアーサー・リー・アレン(1992年、58歳で死去)が真犯人であると今でも信じているらしく、上記映画でもそのような描かれ方がされている。しかし、実際には、アレンは指紋と筆跡鑑定でも、そして彼の死後実施されたDNAと掌紋鑑定でも犯人のものと一致せず、一応容疑が晴れている(参照12)。

また、トム・ヴォイト氏はゾディアック事件に魅せられ犯人探しを続ける民間人マニアであるが、彼が運営するウェブサイト『Zodiackiller.com』(月間400万PV)に掲載されている手紙にも同じく改竄の跡が見られるという。そして、面白いことにヴォイト氏もアレン犯人説の信奉者のようなのだ(参照)。


Zodiackiller.com


CBS13はこの件に関し、ヴォイト氏に電話とメールで問い合わせたそうだが彼からの回答は得られず、また、グレイスミス氏には連絡すら取れなかったそうだ。


捜査協力を拒むサンフランシスコ市警

事件解決に筆跡鑑定がそれほど重要なら、最初からオリジナルに当たればよいのではないか? 誰しもそう思うのだが、冒頭で述べたように、手紙も含めた証拠品の大部分はサンフランシスコ市警の手中にあり、2000年より9年間、FBIは手を出せないでいる。

CBS13はこの件についても、何度も電話やメールで市警に取材を申し込んでいるが、ことごとく断られたそうだ。

それにしてもなぜ市警はこれほどまでにFBIへの協力を拒むのか? 連邦機関に手柄を上げさせたくないという縄張り意識から? それとも、証拠品はとっくに紛失しており、それを隠ぺいするため? 他にどんな理由があるというのだろうか? さらに疑問なのは、市警が事件解決を阻むような態度を取り続けても、誰も介入していそうもないことだ。市長や裁判所には介入する意思や権限はないのだろうか?

今回の報道の背景には、市民からの圧力を利用して、なんとか市警の証拠品を入手したいというFBIの思惑があるのかもと筆者は思ったのだが、報道から1ヶ月が過ぎた今も、市警からは何のリアクションもない。

ソース

ゾディアック事件シリーズ

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