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「真犯人は父です」ゾディアック事件に別の容疑者浮上

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[アメリカ発] 当ブログで何度も取り上げてきたゾディアック連続殺人事件であるが、ジャック・トーランス容疑者がクロなのかどうか未だに決着がついていない中、真犯人は私の父と公言する女性が突如現れた。

カリフォルニア州南部コロナ在住のデボラ・ペレスさん(不動産業、47)だ。彼女は、4月29日、スポークスマンと共にサンフランシスコ・クロニクル紙の本社ビル前で記者会見に臨んだ。それは20分に亘り、彼女の告白は衝撃的な内容だった。


記者会見するデボラ・ペレスさん - 2009年4月29日 -


記者会見の全容(20:52)はこちら

犯人とされる彼女の父親、ガイ・ウォード・ヘンドリクソンさんは、1983年、癌のため68歳で死去している。職業は学校施設の修理工で、3度の結婚歴がある。また、記者会見では明らかにされなかったが、その後の続報によると、彼はデボラさんの実父ではなく継父である。デボラさんの母親は彼女を含む7人の子供を抱え、メキシコのティフアナでダンサーをしていたといい、ヘンドリクソンさんと結婚後、子連れでアメリカに移住して来たそうだ。


殺人現場にいた7歳の少女

自らをゾディアックと呼んだ犯人は、1968年から1969年にかけて、カリフォルニア州ベイエリアで少なくとも5人を殺害したことが確認されているが、当時7歳の少女だったデボラさんは、このうち2つの殺人現場にいたと告白している。

第1の殺人現場は、1968年12月20日、ヴァレホ郊外の車道脇に深夜車を止めデートしていたデヴィッド・ファラデー(17)とベティ・ルー・ジェンセン(16)が射殺された事件。自家用車に座るデボラさんは、銃声を聞いたり、叫びながら走る少女を目撃。この時、継父はあれは爆竹の音で、少年が爆竹を少女に投げつけただけと説明したという。

第2の殺人現場は、1969年7月4日、同じくヴァレホ郊外のゴルフ場の駐車場で、ダーリーン・フェリン(22)が射殺され、連れのマイケル・マジョー(19)が重傷を負わされた事件。デボラさんによると、継父はダーリーンと顔見知りで、事件当夜、彼女と激しい口論となり犯行に及んだそうだ。この時、デボラさんは被害者らが乗る車の真後ろに止められた自家用車の中から継父の姿を見ており、銃声やうめき声も聞こえたという。訝る彼女に継父は、彼らは花火を打ち上げていたのだと説明。現場から逃走後間もなく、警察に車を止められたが、継父はその直前ピストルを紙袋に入れ、デボラさんのズボンの中に隠したという。

また、1969年10月11日、サンフランシスコの閑静な住宅街、プレシディオハイツでタクシー運転手、ポール・スタイン(29)が射殺された時には、デボラさんは現場近くの路上(メイプル・ストリート)に駐車された自家用車の中で父を待っていたという。暗闇から継父が姿を現した時、彼は見慣れないメガネを掛け、衣服にはシミが付いていたそうだ。デボラさんがシミについて聞くと、彼は車を修理するのを手伝っていて付いたオイルだと説明したという。

1969年9月27日、ベリエッサ湖でセシリア・シェパード(22)とブライアン・ハートネル(20)が刃物で襲われ、セシリアが死亡した事件は、ゾディアック事件を語る時、一番話題になる事件であるが、これにもデボラさんは関わっているようだ。この時、犯人、すなわち継父が被っていた黒い頭巾に、円に十字のシンボルマークを刺繍したというのだ。


ベリエッサ湖のシーン。米映画『ゾディアック』(2007年)より


これらの告白が事実なら、デボラさんはゾディアックの犯行とされる5人の殺人事件すべてに何らかの形で関わっていたということになる。


ゾディアックの手紙も書いていた

しかも、話はこれだけに留まらない。犯人は数多くの声明文を警察、マスコミ、著名人に送りつけているが、デボラさんはそのうち、サンフランシスコの弁護士、メルヴィン・ベライ氏(1996年死去)に宛てたクリスマスカードにメッセージを書き込んだというのだ。

メッセージは句読点やつづりが間違いだらけで、「親愛なるメルヴィン様、こちらゾディアックです。楽しいクリスマスをお迎え下さい。一つあなたにお願いがあります。どうか、私を助けて下さい」という書き出しで始まっている。封筒の消印は、ファラデーとジェンセンが殺されたちょうど一年後、1969年12月20日付けだった。彼女は、父を助けてもらおうとして、この手紙を書いたと述べている。また、この他にも、数通の手紙にメッセージを書き込んだそうだ。

また、ゾディアックの声明文のなかには暗号文も混じっていたが、デボラさんはそのうちのいくつかを解読することができたという。

さらに、デボラさんは、継父は30人から40人を殺害しており、被害者から奪った記念品を集めたスクラップブックを持っていたといい、彼女もそれを目にしたことがあると話している。しかし、スクラップブックの最後の所有者だったヘンドリクソンさんの姉(または妹)も他界し、現在、その行方は分からないという。


疑惑の芽生え

デボラさんは、記者会見の冒頭でゾディアックと父親が結びついた経緯を明かしている。それによると、彼女がゾディアックキラーのことを知ったのは、2007年8月頃のことだった。テレビの犯罪捜査番組『America's Most Wanted』を見ていたところ、ゾディアック事件の犯人の似顔絵が写し出され、自分の父だと思ったのだという。トーランス容疑者の継息子がテレビのドキュメンタリーを見て疑惑を抱いたのと同じパターンである。そして、彼女がゾディアックキラーについて調べて見ると、警察が保管する証拠品の中に、継父や自分が書いたカードや手紙を発見し、驚いたということらしい。

彼女は、その後、犯罪心理学者の助けを借りて記憶を明瞭にしたとも述べている。(抑圧された記憶を呼び覚ましたということか?)


裏付けとなる証拠

これについては、彼女のスポークスマン、ケビン・マクリーン氏が3点ほど挙げているが、一番強力な物的証拠となり得るのは、継父が、殺害したタクシー運転手から盗んだという茶色の角縁メガネだ。実際、運転手が死体で発見された時、彼のメガネが紛失していたことが分かっている。メガネからDNAが検出できれば、被害者あるいはゾディアックのそれとの照合が可能だ。それが無理だとしても、少なくとも被害者の眼鏡処方箋と一致する可能性がある。

デボラさんはゾディアックの声明文のうち、2通(ベライ弁護士宛のクリスマスカード、及びタクシー運転手殺害の翌日に出した手紙)に切手を貼付けたといい、切手に付着した唾液からデボラさんのDNAが検出される可能性がある。

また、上記のベライ弁護士宛クリスマスカードのメッセージについては、デボラさんが書いたものとの鑑定結果が既に出ている。筆跡鑑定をしたのは、バート・バゲット氏だが、この名前にピンと来る人もいるだろう。当ブログ記事「ゾディアック事件続報、筆跡鑑定でゾディアックと容疑者が結びついた!」で、筆跡鑑定人、ナネット・バルト氏がゾディアックの手紙を書いたのはトーランス容疑者との結論に達したとお伝えしたが、その結論を否定した人物である。

バゲット氏はゾディアックのドキュメンタリーを製作中だという噂話にも記事中で触れたが、どうやらこれも本当だったようだ。現在、彼はデボラさんのストーリーに基づいたドキュメンタリー製作に関わっているらしい。

なお、角縁メガネ等の証拠品は調査のため、サンフランシスコ市警に提出されるとのこと。


嘘、妄想、真実?

以上、デボラさんが記者会見で告白した内容をまとめてみたわけだが、これが全部本当なら凄いことだ。とりあえず、彼女のドキュメンタリーは一見の価値があるだろう。

ただ、筆者としては、わずか7歳の少女が、手紙を代筆したり、刺繍をしたりできるものだろうかという疑問が湧くのである。もちろん、学習能力や才能には個人差があるので、できるわけないと決めつけることはしないが。むしろ、彼女のよみがえった記憶が、心理学者の誘導によって捏造された虚偽記憶である可能性を疑ったほうがいいかもしれない。

また、デボラさんは2年前までゾディアックについて何も知らず、似顔絵も見たことがないと話しているが、これも不自然だ。ゾディアック事件は、国内だけでなく海外にも知れ渡り、40年後の今も国内外のマスコミを賑わす有名な事件である。事件を題材にした映画も数本出ている。その上、デボラさんはベライ弁護士宛に書いたメッセージの中で、自ら「ゾディアック」という文字を書き込んでもいる。本当に、何も知らなかったのだろうか? とは言うものの、それまでテレビや新聞をあまり見ない生活をしていたというのなら、有り得る話かもしれない。実際はもっと早くから事件のことを知っていたが、何らかの理由でそれを隠そうとして嘘をついている可能性もある。

ところで、前述のデボラさんがゾディアックの暗号文を解読できたという件だが、どうやら、これは誇張だったようだ。ブログ『Threat Level』のオーサーが、記者会見後、彼女に電話でこの件について確認したところ、デボラさんが解読できたというのは、すでに解読済の暗号文であったことが明らかに。未解読の暗号文については「父は、私にコードを教えてくれなかった(ので解読できない)」と答えたそうである。これをスラスラと解読できれば、強力な証拠になっていたはずなのに、残念!

最後に醜聞を一つ付け加えておくと、スポークスマンのマクリーン氏は、元々弁護士だったものが、職務上の非行のため昨年11月に業務停止処分を受け、今年4月には弁護士資格を剥奪されている(参照)。ちなみに、彼は、くだんのベライ弁護士と法律事務所を共同経営していたこともある。そういう意味では、彼もゾディアック事件に縁がなくもない。彼の醜聞は、デボラさん自身の信用度とは直接の関係はないが、影を落とす材料ではある。

とまあ、ネガティブな観点ばかりを羅列してしまったが、筆者は彼女の話を全面的に否定するつもりはない。事実は小説よりも奇なり。ここは、サンフランシスコ市警がどのような結論に達するか見守ることにしたい。

ソース

ゾディアック事件シリーズ

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