[インド発] 銀行の椅子にぎこちなく座っているのは、ラクシュミ・ダスさん、60歳だ。自分の全財産を銀行に預けに来たのだという。
といっても、ラクシュミさんが銀行に持ち込んだのは硬貨ばかりだ。総重量はなんと91キロもある。銀行側は、全部で30,000ルピー(約74,000円)程になると見積もっている。
インドでは、これだけの貯蓄があれば、口座を開くのには申し分ないし、クレジットカードの発行条件も満たしているそうだ。
小銭の山は、彼女がこれまで乞食をして貯め込んだものだ。16歳の時、コルカタ(旧カルカッタ)北部の車や人で混み合う交差点、ハティバガンで物乞いをしたのがキャリアの始まりだという。
「姉(または妹)は倹約家で、毎日の稼ぎから生活費を差し引いた分は全部貯金してました。誰にも自分のお金に触れさせようとしませんでしたよ」と妹(姉)のアシャさんは言う。
ラクシュミさんは、ハティバガン近くのスラム街に住んでいるが、これまで稼いだ小銭は鉄製のバケツ4個に入れ、それをさらに麻袋に包み保管していたそうだ。
バケツは様々の単位の硬貨で溢れており、中には1961年に鋳造され、現在は無効となったコインも混ざっているが、銀行側はそれらも受け入れるという。
ラクシュミさんは、これらの硬貨を老後のために蓄えてきたといい、年を取って物乞いができなくなった時のために年金プランが必要だと行員たちに話す。
今回、彼女が銀行に預金することになったのは、誰かが彼女の貯蓄を盗み出すのではないかと心配する警察に勧められたからだ。
「みんなに知れ渡った今、掘っ立て小屋にコインを置いておくのは安全じゃありません」と警官のバイドヤナース・サハさんは言う。「銀行預金が一番安全な選択肢でしょう」
現在、彼女が持ち込んだ硬貨は行員たちが手分けして勘定しているそうだが、口座が開設されれば、預金のマネジメントについて彼女にアドバイスしていく方針だという。
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- 2008-07-11 01:55
- 人生いろいろ
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44年間でバケツ4杯分の硬貨を貯め込んだ女乞食(世界の三面記事・オモロイド) 経済発展著しいインドだが、底辺で暮らしている人もいる。そんな中の一人の女性が44年間で約74000円を貯めたそうだ。ラクシュミさんは、これらの硬貨を老後のために蓄えてきたといい、年
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