[アメリカ発] 筆者は猟奇殺人に興味を持っていて、時たま、それ専門のサイト(
crimelibrary.com他)を訪問したり、ユーチューブでテレビのドキュメンタリーもの(特に『
A&E Biography』は秀逸)を見たりする。そういったサイトやドキュメンタリーでは、ジェフリー・ダーマー、テッド・バンディ、ジョン・ウェイン・ゲーシー等、知名度の高いシリアルキラー(連続殺人犯)を特集したものが多い。それぞれ、彼らの生い立ち、人物像、犯罪、受けた刑罰に至るまで詳しく解説している。
なので、個々の人物に関する情報はネットからでも多く得られるのだが、彼らの全体像を分析したようなものはあまり見かけない。言わば「木を見て森を見ず」なのだ。そこで、どこかにシリアルキラーの統計資料はないものかとネット検索してみたところ、米ラッドフォード大学の「
シリアルキラー情報センター」に辿り着いた。
同センターは1992年の創設以来、世界各国のシリアルキラーの個人データ*を収集し続けており、これまでに1,873人分のデータベースを作成している。そして、データのサマリーをネット上で公開しているのだが、今回「森」の概観を把握するべく、それを筆者なりに読み解いてみることにした。
*同センターのシリアルキラーの定義は、「3件以上の殺人事件を犯し(2件の殺人事件を犯し、3件目を犯す前に逮捕された者も含む)、その1件と1件との間に(感情的)冷却期間のあるもの」となっている。また、犯行の動機については幻想、使命感、快楽、利益、支配欲、報復等多岐にわたっている。データ収集の対象期間については記述がなく不明だが、少なくとも19世紀後半から現在までをカバーしていると思われる。以下の表で、特に明記しない限り、標本数(n)は1,873人である。また、
緑色表示のデータは、筆者がネット等から収集、算出して付け加えたものだ。
地理的分布まず、世界におけるシリアルキラーの分布を見てみると、米国に64%集中していることがわかる(表1)。同国が世界人口の5%しか占めていないことを考えると、驚異的な数字だ。また、人口1千万人当りのシリアルキラーの出現率は全世界平均で4.5人であるのに対し、米国は55.7人、その他の諸国は平均1.7人となっている。したがって、米国の出現率は他の諸国平均の33倍もあるわけだ。(20世紀前半以前の世界人口については信頼できるデータがないので、1950年から2000年まで10年ごとの人口の平均を使って人口分布、出現率を算出した)
表1 地理的分布| 国名 | シリアルキラー | 人口* |
|---|
| | | 人口1千万人当り | |
|---|
| | | 出現率 | | |
|---|
| (人) | (%) | (人) | (人) | (%) |
|---|
| 米国 | 1,205 | 64.3 | 55.7 | 216,365,165 | 5.2 |
| その他 | 668 | 35.7 | 1.7 | 3,965,731,166 | 94.8 |
| 全世界 | 1,873 | 100.0 | 4.5 | 4,182,096,331 | 100.0 |
*1950年から2000年まで10年ごとの人口の平均。データは米国国勢調査局の『International Data Base』から引用。男女比と殺人初犯時の年齢表2 男女比と殺人初犯時の年齢 |
|---|
| 男女比(%) | |
|---|
| 男性 | 88.1 |
| 女性 | 11.9 |
| |
| 殺人初犯時の年齢(n=1,296) |
| 全体 | |
| 平均 | 28.6 |
| 男性 | |
| 平均 | 28.4 |
| 最年少 | 11 |
| 最高齢 | 72 |
| 女性 | |
| 平均 | 30.4 |
| 最年少 | 11 |
| 最高齢 | 66 |
次に、殺人鬼たちの男女比であるが、88%対12%とほぼ10人に9人は男性となっている(表2)。殺人を初めて犯した時の年齢は、平均28.6歳だが、男女別に見ると、男性28.4歳、女性30.4歳となっている。また、初犯の最年少は男女とも11歳(コディ・スコット、メアリー・フローラ・ベル)、最高齢はそれぞれ72歳と66歳(レイ・コープランド、フェイ・コープランド)となっている。
人種別構成比と出現率シリアルキラーの人種別構成比は表3に示した通りだ。全世界レベルで見ると、白人(72.2%)、黒人(16.5%)、ヒスパニック(5.7%)、アジア人(5.5%)、アメリカ先住民(0.2%)となっている。予想通り、白人が圧倒的に多い。
表3 人種別構成比 |
|---|
| 人種 | シリアルキラー | 人口* | 出現率の | 出現率の |
|---|
| (%) | (%) | 対白人比 | 対黒人比 |
|---|
| 全世界(n=1,813) |
| 白人 | 72.2 |
| 黒人 | 16.5 |
| ヒスパニック | 5.7 |
| アジア人 | 5.5 |
| アメリカ先住民 | 0.2 |
|
| 米国(n=1,160) |
| 白人 | 72.1 |
| 黒人 | 22.1 |
| ヒスパニック | 4.8 |
| アジア人 | 0.7 |
| アメリカ先住民 | 0.3 |
|
| 米国 1980-2006(n=?) |
| 白人 | 72.8 | 74.4 | 1.00 | 0.55 |
| 黒人 | 21.3 | 12.0 | 1.82 | 1.00 |
| ヒスパニック | 5.1 | 9.6 | 0.55 | 0.30 |
|
| アジア人 | 0.7 | 2.8 | 0.26 | 0.14 |
*1980、1990、2000年国勢調査平均。米国内のシリアルキラーの人種別構成比もよく似たものになっているが、対象期間を1980-2006年に限定したものについては、人口の人種別構成比と比較されている。1980年、1990年、2000年の人口を平均すると、白人(74.4%)、黒人(12.0%)、ヒスパニック(9.6%)、アジア人(2.8%)という分布になる。
筆者は、これら二つの比率から、黒人、ヒスパニック、アジア人のシリアルキラーの出現率の対白人比を計算してみたのだが、黒人のシリアルキラー出現率は、なんと白人のほぼ2倍(1.82)もあることが判明した。これとは逆に、ヒスパニックの場合は白人の半分(0.55)、アジア人の場合はさらに小さく、4分の1(0.26)であった。対黒人比では、白人(0.55)、ヒスパニック(0.30)、アジア人(0.14)となる。
つまり、絶対数で見る限り、確かにシリアルキラーの大半は白人なのだが、それはただ単に白人が人口の大半を占めているからだとも言えるのである。ところが、出現率では黒人が次席の白人を大きく引き離し首位に立つ。実は、この傾向は殺人犯全般の出現率にも見られ、黒人のそれは白人の7倍以上に達している(
参照)。
では、なぜ黒人のシリアルキラー出現率は他人種より高いのかという疑問が湧くが、内因(遺伝子)と外因(環境)が考えられるだろう。黒人家庭は一般的に所得が低く貧困層も多い。これが、連続殺人も含めた殺人全般の直接、間接の原因になっているのではないか。
また、先に米国のシリアルキラー出現率は他の国々の33倍あることを指摘したが、このこと自体、米国の風土、文化、社会構造に要因があることを示唆している。黒人の場合、人種差別や貧困等も手伝って、他の人種に比べこれら諸要因の影響を受けやすいのかもしれない。内因については、回帰分析等で外因の影響を排除できれば、その有無がある程度わかるだろう。
ところで、黒人種のホームランド、サハラ以南アフリカでは、警察が機能していないのだろうか、犯罪データがない国が多いが、データがある国々の殺人犯発生率には、南アフリカの60件(人口10万人当り、1990-2000年)、ウガンダの9件、ジンバブエの7件、マダガスカルの1件等かなりばらつきがある(
参照)。
これに対し、北アフリカの場合、チュニジア(1件)、モロッコ(0.5件)、エジプト(0.5件)、スーダン(0.4件)等、発生率は日本(1件、2000年)並かそれ以下だ。ちなみに、米国国勢調査では北アフリカ出身のアラブ系は白人種に分類される。どうやら、米国同様、アフリカでも殺人犯発生率の人種間格差はあるようだ。
しかし、アフリカでは南ア(連続殺人事件が多発するこの国には警察内に
特捜部があり、検挙率70%を誇る)以外、シリアルキラーの報告例は少ない。実際に少ないのかもしれないが、警察の不在や力量不足で、事件が発覚していない可能性も考えられる。
犠牲者数表4は、人種別にシリアルキラーを犠牲者数の多い順番に並べたものだが、ご覧の通り、唯一の例外を除きすべてアメリカ勢となっている。米国はシリアルキラーの輩出量だけではなく、そのモンスターぶりでも他国を圧倒しているわけだ。また、人種による差も歴然としていて、グループとして見た場合、犠牲者数は白人>黒人>ヒスパニックの順に多い。日本の連続強姦殺人犯、小平義雄(7-10人殺害)や大久保清(8人殺害)は、アメリカではチンピラ程度だ。
表4 犠牲者数 |
|---|
| 順位 | 犠牲者数 | 氏名 | 国名 |
|---|
| 白人 |
| 1 | 60 | ゲイリー・リッジウェイ | アメリカ |
| 2 | 60 | マイケル・スワンゴ | アメリカ |
| 3 | 60 | ドナルド・エバンス | アメリカ |
| 4 | 50 | エドワード・イーストマン | アメリカ |
| 5 | 50 | エイミー・アーチャー=ギリガン | アメリカ |
| 6 | 41 | ジェラルド・スタノ | アメリカ |
| 7 | 37 | ドナルド・ハーヴェイ | アメリカ |
| 8 | 36 | テッド・バンディ | アメリカ |
| 9 | 34 | ジェラード・シェーファー | アメリカ |
| 10 | 33 | ジョン・ウェイン・ゲーシー | アメリカ |
| 11 | 33 | ブルース・デイビス | アメリカ |
| 12 | 32 | パトリック・カーニー | アメリカ |
| 13 | 29 | チャールズ・カレン | アメリカ |
| 14 | 27 | ディーン・コルル | アメリカ |
| 15 | 27 | エルマー・ヘンリー | アメリカ |
| 16 | 27 | ハーマン・マジェット | アメリカ |
| 黒人 |
| 1 | 44 | ジェイク・バード | アメリカ |
| 2 | 34 | ブランドン・トルメー | アメリカ |
| 3 | 23 | ウェイン・ウィリアムズ | アメリカ |
| 4 | 20 | フロン・ミッチェル | アメリカ |
| 5 | 17 | モーリー・トロイ・トラヴィス | アメリカ |
| 6 | 16 | ジョン・モハメド + 他1名 | アメリカ |
| 7 | 15 | リチャード・ジェイムズホワイト | アメリカ |
| 8 | 15 | フレッド・グローバー + 他4名 | アメリカ |
| 9 | 14 | ビンセント・グローブズ | アメリカ |
| 10 | 14 | ジェシー・リー・クックス + 他3名 | アメリカ |
| 11 | 14 | クラレンス・ウォーカー | アメリカ |
| 12 | 13 | シドニー・ジョーンズ | アメリカ |
| 13 | 13 | ロレンゾ・ギルヤード | アメリカ |
| 14 | 13 | チェスター・ドウェイン・ターナー | アメリカ |
| 15 | 12 | ナサニエル・バース + 他7名 | アメリカ |
| 16 | 12 | エルトン・マニング・ジャクソン | アメリカ |
| 17 | 12 | コディ・スコット | アメリカ |
| 18 | 12 | コラル・ユージン・ワッツ | アメリカ |
| ヒスパニック |
| 1 | 25 | フアン・コロナ | アメリカ |
| 2 | 23 | アドルフォ・コンスタンツォ | メキシコ |
| 3 | 15 | リチャード・ラミレス | アメリカ |
| 4 | 12 | ロバート・ディアス | アメリカ |
| 5 | 11 | フアン・チャベス | アメリカ |
| 6 | 10 | エディ・セダ | アメリカ |
| 7 | 9 | ロイド・ゴメス | アメリカ |
| 8 | 9 | ローランド・ガルシア | アメリカ |
| 9 | 9 | ドロシア・プエンテ | アメリカ |
| 10 | 8 | アグスティン・チャコン | アメリカ |
| 11 | 7 | フェルナンド・コタ | アメリカ |
| 12 | 7 | ディアーナ・ルンブレラ | アメリカ |
| 13 | 7 | デイヴィッド・ビジャレアル | アメリカ |
| 14 | 6 | フアン・コルドバ | アメリカ |
| 15 | 6 | ポール・ルイス + 他1名 | アメリカ |
| 16 | 6 | エフレン・サルディバル | アメリカ |
| 17 | 5 | ラーモン・エルナンデス | アメリカ |
| 18 | 5 | リチャード・カプト | アメリカ |
知能指数表5 知能指数 |
|---|
| 知能指数(n=103) |
|---|
| 平均値 | 104 |
| 中央値 | 102 |
| 範囲 | 57-165 |
| |
| レイプ | |
| 伴う | 99 |
| 伴わない | 109 |
| |
| 殺しの手段 | |
| 爆弾 | 126 |
| 銃 | 112 |
| 素手 | 101 |
映画等に登場するシリアルキラーは高い知能の持ち主として描かれることが多いが、実際はどうなのか? 彼らの知能指数(IQ)を見てみると、平均値が104、中央値が102となっており、平均像で見る限り、一般大衆よりやや高めのようだ(表5)。しかし、ばらつきは57-165とかなり大きい。また、レイプを伴う犯行かどうかでも、伴う(99)、伴わない(109)と差がある。殺しの手段で見た場合も、爆弾(126)、銃(112)、素手(101)と、より込み入った手段を選ぶ殺人鬼程IQが高くなっている。
表6と7には、標本103人のうち、それぞれ知能指数の高いシリアルキラーと低いシリアルキラーがIQ順にリストアップされている。これらの表を見る限り、犠牲者の数はシリアルキラーのIQにあまり左右されないようである。彼らが警察の網に引っかかるのは、多分に運と警察の実力によるということだろうか。また、IQの低いグループに黒人が目立つ。
表6 知能指数の高いシリアルキラー |
|---|
| 順位 | IQ | 氏名 | 犠牲者数 | | 人種 | 国名 |
|---|
| 1 | 165 | デボラ・グリーン | 2 | | 白人 | アメリカ |
| 2 | 165 | テッド・カジンスキー | 3 | | 白人 | アメリカ |
| 3 | 160 | シャーリーン・ギャレゴ | 8 | | 白人 | アメリカ |
| 4 | 152 | キャロル・コール | 35 | | 白人 | アメリカ |
| 5 | 148 | ゲイリー・ヘイドニク | 2 | | 白人 | アメリカ |
| 6 | 145 | エド・ケンパー | 10 | | 白人 | アメリカ |
| 7 | 140 | チャールズ・アルブライト | 1-4 | | 白人 | アメリカ |
| 8 | 140 | ロバート・ブラウン | 48 | | 白人 | アメリカ |
| 9 | 138 | マイケル・カーソン | 3 | | 白人 | アメリカ |
| 10 | 136 | テッド・バンディ | 36 | | 白人 | アメリカ |
| 11 | 134 | トマス・ディロン | 5 | | 白人 | アメリカ |
| 12 | 130 | ローレンス・ビッテイカー | 5 | | 白人 | アメリカ |
| 13 | 130 | ハーヴェイ・グラットマン | 3 | | 白人 | アメリカ |
| 14 | 130 | マルセル・プティオ | 26 | | 白人 | フランス |
| 15 | 130 | アンヘル・レーゼンデス | 24 | | ヒスパニック | アメリカ |
| 16 | 130 | ジェラード・シェーファー | 34 | | 白人 | アメリカ |
| 17 | 129 | ポール・ノウルズ | 18 | | 白人 | アメリカ |
| 18 | 129 | ランディ・クラフト | 16 | | 白人 | アメリカ |
| 19 | 128 | ジョン・クリスティ | 8 | | 白人 | イギリス |
| 20 | 128 | ジョエル・リフキン | 17 | | 白人 | アメリカ |
| 21 | 127 | ジェイムズ・デバーデレベン | 8 | + | 白人 | アメリカ |
| 22 | 126 | デイヴィッド・コープランド | 13 | | 白人 | イギリス |
表7 知能指数の低いシリアルキラー |
|---|
| 順位 | IQ | 氏名 | 犠牲者数 | | 人種 | 国名 |
|---|
| 1 | 57 | シモン・ピレラ | 2 | | 黒人 | アメリカ |
| 2 | 60 | ユージン・ブリット | 10 | + | 黒人 | アメリカ |
| 3 | 65 | クラレンス・ビクター | 3 | | ? | アメリカ |
| 4 | 65 | デリック・トッド・リー | 5 | | 黒人 | アメリカ |
| 5 | 68 | ブルース・リー | 15 | | 白人 | イギリス |
| 6 | 68 | ロレンゾ・フェイン | 5 | | 黒人 | アメリカ |
| 7 | 69 | ルイス・グレイン | 4 | | 黒人 | アメリカ |
| 8 | 69 | クリスティン・フォーリング | 5 | | 白人 | アメリカ |
| 9 | 70 | クーノ・ホフマン | 3 | | 白人 | ドイツ |
| 10 | 73 | ヒューバート・ジェラルズ | 6 | | 黒人 | アメリカ |
| 11 | 75 | コラル・ユージン・ワッツ | 12 | | 黒人 | アメリカ |
| 12 | 75 | マーティ・グラハム | 7 | | 黒人 | アメリカ |
| 13 | 78 | マリー・ノー | 8 | | 白人 | アメリカ |
| 14 | 80 | トミー・リン・セルズ | 6-70 | | 白人 | アメリカ |
| 15 | 84 | トマス・ディー・ハスキー | 4 | | 白人 | アメリカ |
| 16 | 84 | ジョセフ・カリンジャー | 3 | | 白人 | アメリカ |
| 17 | 85 | オーティス・ツール | 25 | | 白人 | アメリカ |
| 18 | 85 | ダニエル・ブランク | 6 | | 白人 | アメリカ |
| 19 | 89 | ヘンリー・リー・ルーカス | 100 | | 白人 | アメリカ |
| 20 | 89 | ダニー・ローリング | 8 | | 白人 | アメリカ |
幼少時の家庭環境表8 親・保護者 |
|---|
| シリアルキラー | 米国民 |
|---|
| (n=353) | (2000年国勢調査) |
|---|
| (%) | (%) |
|---|
| 実親 | 79.3 | 76.1 |
| 養親 | 8.2 | 2.5 |
| 親戚 | 7.1 | 3.1 |
| 里親 | 3.4 | 0.4 |
| 孤児院 | 1.4 | |
| 捨て子 | 0.6 | |
シリアルキラーの79%は実親に育てられ、残りは養親、親戚、里親、孤児院等に育てられている(表8)。これは米国民全体(76%)とさほど違わない。(米国民のデータは不完全だが、そのまま掲載することにした)
次に、彼らの出生順位を見てみると、末っ子(27.6%)や一人っ子(24.9%)の割合は米国民とほぼ同じなのに対し、長男・長女(15.7%)と真ん中(31.7%)の割合はちょうど逆で、前者の割合は米国民の約半分、後者の割合は約2倍となっている(表9)。
表9 出生順位 |
|---|
| シリアルキラー | 歴代米大統領 | 米国民 |
|---|
| (n=293) | | (2000年国勢調査) |
|---|
| (%) | (%) | (%) |
|---|
| 長男・長女 | 15.7 | 33.3 | 28.4 |
| 真ん中 | 31.7 | 50.0 | 15.9 |
| 末っ子 | 27.6 | 14.3 | 28.4 |
| 一人っ子 | 24.9 | 2.4 | 27.4 |
長男は大人しくしっかり者、次男はわんぱく坊主、末っ子の三男は甘えん坊というイメージがあるが、育て方を間違えると、このわんぱくぶりが暴力につながりやすいということだろうか。
表10 家庭で受けた児童虐待 |
|---|
| 虐待のタイプ | シリアルキラー | 一般人口 |
|---|
| (n=50) | |
|---|
| (%) | (%) |
|---|
| 肉体的 | 36 | 6 |
| 性的 | 26 | 3 |
| 精神的 | 50 | 2 |
| 育児放棄 | 18 | 18 |
| その他 | 該当なし | 6 |
| 虐待の報告なし | 32 | 70 |
しかし、表10が示すように、多くのシリアルキラーたちは、幼少期に虐待されていたようだ。一般人口では子供の70%が虐待を受けずに育つが、シリアルキラーの場合、その68%が何らかの虐待を受けている。精神的虐待は50%、肉体的な虐待は36%、性的虐待は26%、育児放棄は18%が経験している。その一方で、シリアルキラーの32%は虐待を受けずに幼少期を過ごしていることも、特筆に値するだろう。
また、彼らの幼少期によく見られる兆候として、身体の不調や障害、頭部損傷、
マクドナルドの三要素(夜尿症、放火、動物虐待)が挙げられている。
終わりに以上だが、黒人シリアルキラーの出現率が白人の倍近くあるという分析結果は、筆者にとりまったくの予想外だった。また、IQが50-80レベルで連続殺人を犯せる事実にも驚いた。レクター博士に洗脳されていたということか。
ところで、下記ソースのサマリーはラッドフォード大学のマイク・オーモット博士(犯罪心理学)により、たまに更新されているようだ。サマリーの元となるデータベースは残念ながら公開されていない。これがあれば、米国以外の国々や米国各州の地理的分布等、より詳しく調べる事ができるのだが。殺しの動機や方法にも人種間で何らかの違いがあるかもしれない。筆者が見ていたのは、森というより、何が飛び出て来るかわからないジャングルだったようだ。
ソース
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