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男性100人に1人、女性300人に1人はサイコパス




[カナダ発] 「僕は、君とは物の感じ方が違ってるんだろうね」と、テーブルの向かい側に座る、上等の服を着こなした男は語る。彼は、魅力的で機知に富み、好感が持てる男だ。だが、その自信に満ち、快活な話し振りとは裏腹に、この点について葛藤があるように思われた。

「最初の職場でのことなんだけどさ」と彼は続ける。「月にたぶん1,000ドル(約10万円)ぐらいだったと思うけれど、職場から盗んでたんだよ。そこに新しくやって来た若僧なんだけど、僕のしていることに気づいたようでね。マネジャーにチクろうとしたわけさ。けど、そいつがそうする前に、僕のほうが先にマネジャーに告げ口して、すべて彼に罪を着せてしまったんだよね」。こう告白する彼は、顔に満面の笑みをたたえた。

「若僧は仕事を失い、警察にも通報されたんだ。その後、彼がどうなったかは知らない。普通、こんなことをしてしまったら、自分のしたことを後悔するもんだろ? 心が痛むもんだろ? でも、僕は何も感じないんだよ」。彼は申し訳なさそうに笑みを浮かべ、頭を左右に振りながら「何にもね」と言うのだった。


この男性はフランクといい、サイコパス(精神病質者、現在は反社会性人格障害者と呼ばれることが多い)であるという。上記は、ソース記事のライター(カナダ在住)が彼をインタビューした時の模様だ。彼の記事にはさらに次のようなことが書かれている。

サイコパスといっても、フランクは連続殺人鬼や凶悪犯ではない。彼はごく普通に社会生活を送っている。彼はあなたの隣人かもしれないし、医者やテレビに登場する俳優であるかもしれないのだ。ただ、彼はとても衝動的で、他人のことに無関心で冷淡な人間だ。そして、他の人々とは違い、彼には良心というものがない。彼のような人間は稀にしかいない異常者で、施設や刑務所に閉じ込められ、社会から隔離されていると考えられがちだが、実際は大概の人が想像するよりも身近な存在なのだ。

良心をもたない人たち―25人に1人という恐怖「Psychopathy」(サイコパシー、精神病質)という言葉が誕生したのは19世紀のことだが、現在では、主にカナダの心理学者、ロバート・ヘアが確立した診断基準に準拠して使われるようになった。ヘアはサイコパシーを評定する心理テスト、PCL-R(Psychopathy Checklist-Revised)を開発しているが、これはさまざまな社会的に逸脱した行動および性格特性をテストするもので、とりわけ、良心、良心の呵責、自責の念の欠如を最も重要なチェック事項としている。これら反社会的行動や性格が組合わさると、破壊的で利己的、時には「生まれつきの犯罪者」と呼ばれるような危険人物ということになる。

サイコパスの世界は著しくゆがんだもので、そこでは通常の人間の感情や交流などが通用しないが、かなりの数の人々がこの世界の住人だ。文化圏、時代にかかわらず、臨床的にサイコパスだと診断される人間は、おおよそ、男性の場合100人に1人、女性の場合300人に1人の割合でいる。


残念ながら、同記事にはこれらの数値の出典あるいは根拠について言及していない。また、重軽犯罪を犯すのはサイコパスだけではないにしても、国により犯罪発生率にかなり違いがあることを考えると、文化圏によりサイコパスの人口比に差がないと考えることにも疑問を感じる。

しかし、仮にこれらの数値が日本の現実とそうかけ離れたものではないとすると、サイコパスは確かに身近な存在といえるだろう。今この記事を読んでいるあなたの友人、知人の中に1人ぐらいサイコパスがいてもおかしくないわけだ。あなた自身がそうである可能性もある。

けれども、良心などなくても、良心があるように振る舞うことは可能なわけで、ある人物がサイコパスであるのかどうか、他人が見分けることはそんなに簡単なことではないだろう。それに、本人が自分がそうだと自覚していない場合も十分ありえる。確実に知る方法はやはり、先に触れたPCL-R等の心理テストを受け客観的に診断してもらうことだろうか。

筆者自身、サイコパス=『羊たちの沈黙』のレクター博士や『アメリカン・サイコ』のパトリックというイメージで捉えていたので、今回ソース記事を読んで驚いた口だ。しかし、そんなに裾野が広いのならサイコパスとそうでない人間との境界線などかなりあいまいなのではないかとも思えるのだ。

ソース: The unburdened mind

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