[アイスランド発] 英サンデー・タイムズ紙に掲載された「黒人は知能が劣る」という見出しの記事(10月17日付)が火付け役となり、英米でその人種差別的な発言のため、非難の集中砲火を浴びたDNA研究の大御所、ジェームズ・ワトソン博士(79)は、米コールド・スプリング・ハーバー研究所の会長職を追われ10月25日付で辞任したが、同紙は再びワトソン博士関連の記事を12月9日付で掲載している。
今回の報道では、ワトソン博士の全遺伝情報(ゲノム)を解析した結果、彼が平均的欧州白人に比べて16倍もの黒人の遺伝子を持っていることが判明したと伝えている。
同博士は科学振興のためにと、5月31日より自身のゲノムを米国立保健研究所(NIH)のデータベース上で公開しているが、それを解析してみたところ、彼のゲノムの16%はアフリカ系黒人の先祖から受け継いだものであることがわかったという。これとは対照的に、ほとんどの欧州白人の場合、黒人遺伝子がゲノムの1%を超えることはないそうだ。
「このレベルだと、曾祖父母の一人がアフリカ系であったと考えられます」と解説するのは、解析を手掛けたアイスランドのデコード・ジェネティクス社のCEO、カリ・ステファンソン氏である。「ジム(ワトソン博士)に取って、とても驚くべき結果が出たというわけです」と彼は語る。
ヒトゲノム解析プロジェクトのイギリスでの最高責任者を勤めたジョン・サルストン卿(2002年、ノーベル生理学・医学賞を受賞)はワトソン博士を批判する一人であるが、同紙のインタビューに対し、彼の人種についての見解を考えれば、この結果は皮肉だと話している。「私はワトソン氏の発言に決して合意はしませんでした。人種について一般論を述べるほど、我々は知能というものを十分理解してはいないのです」とも述べている。
また、この解析から、ワトソン博士のゲノムの9%はアジア人の祖先から受け継いだものであることも明らかになったそうである。博士自身は同紙の取材に応じていない。
アメリカの奴隷制時代には「One Drop Rule」といって、一滴でも黒人の血が混じっていると黒人と見なすというルールがあったらしいが、これは今でも隠然とアメリカ社会にあると聞く。もし、ゲノム解析が暗示するように、ワトソン博士の祖先に黒人がいるとすれば、このルールに従った場合、彼も黒人と見なされるわけである。彼は、天に向かって唾を吐いてしまったのだろうか。
ソース:
DNA pioneer James Watson is blacker than he thought関連記事:
DNA研究のパイオニア、ジェームズ・ワトソン博士の「黒人はバカ」発言、波紋を呼ぶ
- ▲
- 2007-12-11 14:43
- 時事
- トラックバック : 0
- http://omoroid.blog103.fc2.com/tb.php/161-d627000a
0件のトラックバック
コメントの投稿